己を惑わす敵は己の中にある M2711


坂本龍馬は「己を惑わす敵は己の中にある!」と言っていました。

幕末の世にあり、攘夷(じょうい)論=外国人を実力
行使で排斥しようという思想は、大半を占めていました。

 特に武士は国を守る使命がありますから、外国人を
武力で排斥する使命感に燃えていたのです。

 敵は外にあり!という概念を多くの人達が持っていた
中で、龍馬だけ外国と争わずに、「己を惑わす敵は己の
中にある!」と断言するのですから勇気のいることです。

 幕末という激動の時代に、龍馬は剣道という武道を通じて、
自分の中にある羅針盤を発見し、自分の生きる進路を見失う
ことなく、日本国の舵取りまで実現できたのです。


 ところで、 以下のエピソードは第2次世界大戦後のことで、
幕末とは時代背景が違いますが・・・・。

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  終戦後、武道教育禁止令が布かれた中、GHQから
海兵隊銃剣術の教官と日本の武道家との試合の申し
出があった。

 日本武道の誇りと名誉がかかった一戦であり、おいそれと
負けるわけにはいかない。

 このため対戦する武道家は実戦名人であることが求められた。

 また、米海兵隊銃剣術教官は徒手での格闘術も訓練されて
いるため、剣術のみではなく武器を持たない場合でも強い
ことが求められた。

 この条件に、政治家(国務大臣)であり武道家弘前藩伝の
小野派一刀流剣術・神夢想林崎流居合・直元流大長刀術の
宗家)でもあった笹森順造は、武道家の間では異端とされていた
國井善弥に白羽の矢を立てた。

 國井は木刀を持って銃剣を持った米海兵隊教官との
立会いに臨む。試合が開始されるやいなや國井は相手の
攻撃を見切って木刀で制し身動きの取れない状態へと持ち込む。

 これは圧倒的な実力差であり、米海兵隊教官に負けを
認めさせるに十分であった。

 日本武道の名誉をかけた一戦に実戦名人として
國井善弥が選ばれたことは特筆すべき点である。

     フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より

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 國井 善弥(くにい ぜんや)
1894年1月20日 - 1966年8月17日 享年72歳。
出身地:福島県
鹿島神流剣術第18代宗家。


戦後(昭和20年)GHQの「武道禁止令」が発布され、
武道と名の付く物は稽古してはいけなくなりました。
これは米軍が、帝国主義につながるとの理由で、
発布したものでした。

武道禁止令が発令された約7年間は、空白と闇の時代を
迎えたのですが、これは、武道教育のみでなく日本の教育の
心の部分でも同じことが起き、暗い影を落としたのです。


 坂本龍馬も、國井 善弥(くにい ぜんや)氏も、共通している
のは剣道ですから武道です。

 國井 善弥(くにい ぜんや)氏は、これは圧倒的な実力差で
あり、米海兵隊教官に負けを認めさせるに十分であった。

 ということですから、いかなる相手でも、いかなる時でも
平常心を保ち、自分の持てる力を十分に発揮できたことに
なります。

 米海兵隊銃剣術教官ですから、映画のランボーのような
屈強の猛者だったと思います。

 それでも、國井 善弥(くにい ぜんや)氏が、圧倒的な実力差で
勝ったのですから、持てる力の何倍ものパワーを出せたのです。

 そして、坂本龍馬に至っては、直接の武道の試合ではあり
ませんでしたが、日本国のために、自分の持てる力の何十倍もの
パワーを引き出したのです。

 どんな分野であっても、最大限の力が出せるのです。

 武道の達人や名人は内なる無限のパワーを引き出して、
最高のパフォーマンスを発揮していたのは、メルマガでも
何度も紹介してきました。

 
 何で、このような話題になっているかと言えば、冬季オリンピック
の選手の弁護をしたくなり、このような話題になりました。

 冬季オリンピックの種目は元々は日本にはない種目です。

 どの種目もメンタルトレーニングは盛んに行われていますが、
武道と関連のある種目は皆無ですから、武道の様な精神の
高め方はしていません。

 つまり、どこに意識を集めれば、最高のパワーが出せる!
という高いレベルのメンタルトレーニングまでは至っていないのです。

 これは、最新の科学でも解明できていない領域になりますから、
誰も自信を持って教えられないのかも知れません。

 陸上では、古武道の走り方を取り入れたという情報もあり
ましたが、いいものは取り入れるべきです。

 今回の大会ばかりではありませんが、冬季になると、どの種目も
日本人は精彩に欠け本来の力を発揮できていません。

 ほとんどのスポーツは外国から来たものですが、王選手の野球
など武道の心得があれば、あるいは、武道の達人に力の出し方の
コツを習えば世界のトップクラスになれるのです。

 冬季と言えども、オリンピックに出場するのですから日本の選手は
研究熱心で、どこの国よりも練習量は多いと思います。

 ですから、その努力を実らせて上げるためにも、武道の達人に
指導をしてもらうべきです。

 服装の乱れなどは論外ですが、人間が最高の力を出せる
武道のコツを謙虚に習うべきです。
 
 
 龍馬は「己を惑わす敵は己の中にある!」と断言していましたが、
「己をの力を最大限に引きだすパワーも己の中にある!」ことを、
発見することになるのです。

 今後の大河ドラマの経緯にも出てくると思います。

 戦後、六十年以上も「丹田」という言葉が死語になっています。
という文章がありました。

 臍下丹田、氣、精神統一などの言葉も封印されてきました。
インターネットの普及でやっと見直されてきたものです。

 日本には、人間が最大限の力を発揮できる伝統の武道があるの
ですから、再認識するべきです。

 このままだと同じことの繰返しで、冬季オリンピックの選手は
可愛そうです。

 生意気なことを書いてしまいましたが、的がはずれていたら、
ごめんなさい。