神の名=「かな」 M646−2
神の名=「かな」
日本最古の歌集である万葉集の歌の木簡が見つかった記事が新聞に載っていました。史料としては仮名序より約150年さかのぼり、古典文学の成立過程を解き明かす発見となりそうだ。と、書いていましたが、万葉集は、万葉仮名で書かれているのですが、仮名(かな)とは、神の名=神名=かなのことで、フトマニ図の説明の中でも紹介しましたが、日本の古来からある、五十音はそれぞれ神の名だったのです。
これは梵字=サンスクリット文字と同じ概念なのです。どちらがルーツなのかはわかりませんが、五つの母音がはっきりしているのは、共通しています。ちなみに、雷(かみなり)は、神鳴り(かみなり)から来ています。
五十音の一つ一つの言葉自身が「神様」を指し示す、神の名=「かな」ということになり、日本語は、言霊と言われている所以だと思われます。
先日も、松岡正剛氏の文章を紹介しましたが、五十音図を空海がどんな思いで、後世の日本人に残したかったのか、実践してみた感想です。
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言葉や文字の本質から声を抜いてはいけない。多くの言語学者や書家たちは声を忘れすぎている。
空海はこれを一言で「声字」(しょうじ)と言ってのけた。日本の文字。日本のボーカリゼーション。
すべては高野山や比叡山で考え抜かれたことだった。ということは、日本語という独自のシステムを構成していった功績のかなりの部分に、真言僧や天台僧がかかわっていたということになる。
日本という秘密のまことに重大な胎盤が密教僧によって充血していったということになる
五十音図は奈良平安の苦闘を通過した日本人がつくりあげた文字発音同時表示システムなのである。つまりは空海の声字システムのひとつの到着点なのだ。
五十音図とは日本を考えるための歴史上最初のソフト・プログラムだったのである。
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- 松岡正剛氏の「千夜千冊」より
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