ユング⇒ローランド⇒エビー⇒ビル M285

ユング⇒ローランド⇒エビー⇒ビル



意識レベルが一気に上がることを意識の変容と言います。アルコール中毒患者のビル・Wに意識の変容が起きたのは、エドウィン・Tという友人から、体験談を教えてもらったことからはじまります。いきなり、ビル・Wに意識の変容が起きることは考えられません。

 
その前に、ビルが意識の変容にいたる過程を本から抜粋します。1930年代の初頭、ある有名なアメリカ人の実業化のローランド・H氏が、
自らのアルコール依存症を治してくれるあらゆる治療法を探しましたが、その努力は空しいものでした。そして、治療家として名高いスイスの精神分析医である、カール・ユングに会いに行き1年間の治療の結果、彼はある程度しらふでいられるようになりました。

 
カール・ユングとは、集合無意識や、心の三層構造、東洋のマンダラの研究、そして、シンクロ二シティの提唱など、本当にすごい人の治療を受けたことに
なります。

 
しかし、ローランドは、米国に戻ったのですが、アルコールの手強い誘惑には勝てず、再び病に陥りました。ローランドは、ユングにさらなる治療を求めスイスを再訪しましたが、ユングは、自分の科学理論でも、自分の腕でも、これ以上は、ローランドを助けることはできないと正直に断りました。しかし、何らかのスピリチュアル性のある組織を通して自分自身を完全に神に委ねた人たちの中には、めったにないことではあるが、回復した例もあることを教えたのです。

 
ローランドは失意の中に、アメリカに戻り、ユングの忠告に従って、
スピリチュアル性のあるグループを探し、この方法によって、実際に回復することができたのです。彼の回復は、どんな援助も及ばない絶望的なアルコール依存症に冒されていたエドウィン・T、通称「エビー」という人物に強い衝撃を与えました。

 
ローランドは、エビーにどうやって回復したかを告げると、エビーも前例に従って、酒を飲むのをやめました。さらに、エビーから、またも救いようのない重度のアルコール依存症で、入院していた彼の友人ビル・Wにも伝わりました。エビーは、自分の回復が、ほかの人たちへの奉仕と、自分よりもっと偉大な「パワー」に自分自身を委ねることだったと、ビルに話しました。
 
 
ビル・Wは、無神論者だったので、「もっと高いパワーに自分自身を
委ねる」という考えは、ありませんでした。ビルはプライドが高く、何かに自分の考えを委ねることは大嫌いだったのです。その結果彼は、真っ暗闇の絶望の淵に沈むことになりました。

 
彼の心はアルコールにつりつかれ、また彼の肉体もアルコールに
対してアレルギーを持っていましたから、間違いなく発狂し、死に至るという医者の予測は、彼にも妻のロイスにも知らせれていました。

 
ビルは結局、治癒することを完全にあきらめてしまったのですが、
のちにある体験をしました。それは、無限の存在と光りに包まれた、内なる平和の体験でした。それが起きた夜、彼はやっと睡眠をとることができました。その翌日、彼が目覚めたとき、例えようもない方法で、自分は変化させられたという気持ちになりました。

 
ビル・Wは、偉大なパワーにつながって、意識の変容が起きて、奇跡が起きたのです。つまり、彼の絶望的な病気が完治したのです。ビル・Wが完治した過程は、
ユング⇒ローランド⇒エビー⇒ビルという流れになりますが、ローランドがエビーに指導し、さらに、エビーがビルに指導し、その間は
何年も何ヶ月も熱心な指導があったと思われます。

 
ビルは、彼の経験した『贈り物』を他の人たちにも経験してほしかったのですが、「私は数ヶ月間、アルコール依存症の人たちをしらふにさせようと試みましたが、成功しませんでした」と、ビル自身が述べています。ついに彼は、その状態が絶望的な問題だと認識させる必要があることに気づきました。

 
近代心理学用語で、これを「自己否認からの克服」といいます。と、書いております。このビル・Wの物語がこの章の核心だと思われます。この章の意識レベルも870と非常に高いのですから、絶望的な病気に冒されている人でも、意識の変容によって、だれにも奇跡が起きる!と、言うことを言いたいのではないでしょうか。
 
 
ビルの経験を通して認識された壮大な「パワー」はそのパワーによって生まれ変わった何百万人もの命が、何よりもあきらかな証拠になりました。と書かれておりますので、ユング⇒ローランド⇒エビー⇒ビルと、彼らが多くの人に伝えた叡智は『ほかの人たちへの奉仕と、自分よりもっと偉大な「パワー」に自分自身を委ねる!』ことで、この実践が、意識の変容を促すのです。

 
これは、どの分野での願望の達成や、成功して幸せになる最良の方法
でもあるのです。意識レベルも870ですから、空海と同じです

 
ノウボウ・アカシャは、南牟・アカシャと、漢字になりますが、アカシャ=虚空蔵つまり、宇宙に自分自身を委ねる・帰依します!という意味になります。

 
これは、9章でも書きました。南無・阿弥陀仏は、阿弥陀仏に自分自身を委ねる・帰依します!南無・妙法連華経は、妙法連華経に委ねる・帰依します!どれも、ノウボウ・アカシャ・・・の方が古いので、これを参考にして作られたものだと思いますが、南牟は、南無の原型になります。このノウボウの音の響きは、現代よりも、1000年も進んでいる相当に高度な科学的知識により創造されたものですから、南無と
変えないほうがよかったと思われます。意識レベルの判定からもわかります。

  
自分よりもっと偉大な「パワー」に自分自身を委ねる!叡智は、現代のビル・Wの物語でも実証されているるのですから、能望のすごさも理解できると思われます。能望は、12000年も前に日本に伝来していて、人の意識レベルを高める原理を、すべての宗派にも教えた事にもなります。

 
能望の実践は、くよくよ心配ばかりの左脳支配から、右脳に切り替えられますので、この点だけでも、意識レベルが一気に上がります。『幸せの和』をじっと眺めるのも右脳に切り替えられますから、右脳の支配になります。

 
どちらも、高い氣のエネルギーの場の中に入ります。そして、フトマニ図を眺めることも、原子核、陽子、中性子、電子など、その先の素粒子のイメージにもつながります。フトマニ図は、原子の構造図でもあり、宇宙の構造図でもあります。


「ミクロコスモス」と「マクロコスモス」という言葉がありますが、人体と宇宙とも対応しているように、原子や素粒子の世界にも宇宙と対応しているのです。宇宙には「物事を結合させる」働き、つまり、「物事を調和させる」働きがあります。森羅万象の創造の源、あらゆるものが創造される統一場は、あらゆるものを創造できる神の領域でもあります。

 
これが、小宇宙である人体の中心の丹田にあり、その奥の一点の
原子にあり、さらに、その奥の原子核にあり、さらに、 その奥のミクロの命数にあるのです。

 
これらを順番に納得できるように意識し、「大いなる自己」に委ねる事が、意識の変容を促し、奇跡を起こすことができるのです。だんだんと全貌が見えてきました。ユングの提唱しているシンクロ現象も、素粒子の世界ではすべてがすべてに、つながっておりますから、不思議なことではなくなります。

 
13章のまとめとして、本には、これまでのところ、高い『パワー』のアトラクターフィールドに関係する原理に沿っている例として、オリンピックのもたらす可能性について検討しました。さらには、企業の成功や国際レベルの政治的勝利、それから、治る見込みのない進行性の疾病からの回復もありました。と、本では、14章に続く、芸術のことにも触れております。