生きて死ぬ智慧 M757

生きて死ぬ智慧



そのように意識すれば、そのようになるし、そんなことはない!と、意識をすれば、そんなことはなくなります。これは、量子力学的にも、裏づけられていることなので、そのように、常に前向きに心がけていたほうが良いのです。

 
当代日本を代表する生化学者という肩書きのある、柳澤桂子さんの文章を抜粋します---------------------------

 
私達は、原子からできています。原子は動き回っているために私たちの世界は出来上がっているのです。
この宇宙を原子のレベルで見てみましょう。私のいるところは少し密度が高いかも知れません。あなたのいるところも高いでしょう。戸棚のところも原子が蜜に存在するでしょう。

 
これが宇宙を一元に見た時の景色です。
一面の原子の飛び交っている空間の中にところどころ原子が蜜に存在するところがあるだけなのです。あなたもありません。私もありません。けれどもそれはそこに存在するのです。物も原子の濃淡でしかありませんから、それにとらわれることもありません。一元的な世界こそが真理で、私たちは錯覚を起こしているのです。


このように宇宙の真実に目覚めた人は、物事に執着するということがなくなり、何事も淡々と受け容れることが出来るようになります。これがお釈迦さまの悟られたことであると私は思います。


もちろん、お釈迦さまが原子を考えられておられたとは思いませんが、ものごとの本質を見抜いておられたと思います。現代科学に照らしても、釈尊がいかに真実を見通していたかということは、驚くべきことであると思います。

  
文・柳澤桂子「生きて死ぬ智慧」(小学館) <あとがき>より抜粋

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柳沢桂子さんは、何度も神秘体験をされて、現代の科学者以上に、物事の本質的なものを捉えているようです。柳沢桂子さんは、30年もの闘病生活で、痛みに耐え、怒りや苦しみや絶望感など、さまざまなマイナスの感情を溜め込んできました。

 
しかし、お釈迦様の宇宙感が書かれている般若心経を、科学者の立場から10年以上も研究され、そのマイナスの感情を自己の核心である神我に至るエネルギーに転化できたものと思われます。けれども、科学者特有の論理的思考が邪魔をして、まだ闇の部分を完全には、照らしきれない状態にあるようです。

 
一般の人は、この蓄積されたマイナスの感情のエネルギーは、望ましくないマイナスの現象を招いてしまい、病気の克服には至らないで、攻撃的エネルギーになり、自分自身の肉体を滅ぼしてしまう傾向にあります。けれども彼女は、マイナスのエネルギーを転化させて、自分の中の神の領域の一部を浮上させることができたのです。

 
現代人特有の固定観念から開放されて、お釈迦様の「空」の概念が理解できたからだと思われます。彼女は般若心経を、科学者の目から翻訳されていますが、エネルギー的概念に目覚められたことが彼女の大きな分岐点になったことと思われます。

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お聞きなさい

あなたも 宇宙のなかで

粒子でできています

宇宙のなかの

ほかの粒子と一つづきです

ですから宇宙も「空」です

あなたという実体はないのです

あなたと宇宙は一つです

   「生きて死ぬ智慧」より般若心経の訳文の抜粋

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彼女は素粒子論も学ばれ、 宇宙のすべての根源は、エネルギーであることも、当然、ご承知の上で、般若心経を翻訳されたのです。その後、彼女の病気の原因が「脳脊髄液」が漏れていることがわかったのも、彼女の内なるパワーが奇跡を導いたように思われます。この世で起きるすべての現象は、見えない世界に原因があります。

 
森羅万象のすべてが、原子の中の素粒子の情報とエネルギーの揺らぎの中から生じるのです。素粒子の大きさは、原子の1億分の1以下の大きさになりますから、「素粒子の情報とエネルギーの揺らぎの中」とは、三次元の空間ではなく、高次元の空間になります。人が意識をして、関心を持たなければ、素粒子は、いつまでも高次元の揺らぎの中に漂っているのです。

 
彼女のいくつかの書籍からは、この高次元の概念は、見つかりません。2500年前に、お釈迦様が原子の知識はなかった!という彼女の
固定観念が邪魔をしているようです。 フトマニ図からもわかるように、何万年も前から人類は原子の構造も、さらのその先の素粒子や氣のエネルギーについても、そして、次元を越えた世界のあることも、現代の科学よりも1000年も進んだ叡智を持っていたのです。

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お釈迦様は、古代から伝わるインドの聖典から学んだものと思われます。古代のインドの「天啓聖典」は、神から受け取られたと言われ
ていて、特にヴェーダは、口伝でのみ伝承されて来ました。文字が使用されるようになっても文字にすることを避けられ、師から弟子へと伝えられました。

 
後になって文字に記されましたが、実際には、文字に記されたのはごく一部だけとされていますから、お釈迦様も口伝で、学ばれたものと思われます。この古代のインドの天啓聖典の中味の叡智は、当然古代の日本にもあったもので、ムー文明⇒ムー・縄文文明⇒古代インド・中国、そして、日本に里帰りのように伝承されたものと思われます。

 
このように、何万年も、何千年も経過した後に、聖徳太子の時代に
大陸から、日本に里帰りしたのです。日本人が、インドからきた仏教の「空」の概念を、そして、儒教の概念を、素直に受け入れることができたのは、元々の伝承地でもあったからだと思います。仏教も儒教も本当に花が開いたのは、インドでも中国でもなく、日本ですから、当然のことだと思われます。

 
空海は、日本にあったピラミットや古代の叡智の痕跡を封印するために天皇からの勅命を受けて活動したそうで、その時、空海は古代の叡智のほんの一部だけでも知ることができたのでは?それが、次元を超越した宇宙の虚空蔵=アカシック・レコードであり、この宇宙の図書館にアクセスする暗号が、ノウボウアキャシャ・・・!だったのかも?

 
これは、希望的観測です。空海の書物には、金星の記述もあり、氣のエネルギーで、人々に勇気を与え、病気なども当たり前に治し、天気なども変えて雨を降らせたりしていましたから、お釈迦様以上に、量子力学的な概念を持っていたようです。空海の晩年の主著『秘密曼荼羅十住心論(ひみつまんだらじゅうじゅうしんろん)』には、人の意識レベルの進化が10段階に書かれています。

 
ほとんど、「パワーかフォースか」と同様の意識レベルになります。「パワーかフォースか」の意識レベルは量子力学の裏づけがありますから、空海の理論も、仏教の理論も量子力学の概念があることになります。そして、空海の本の中にも「秘密荘厳住心(ひみつしょうごんじゅうしん)」という言葉があり、これは、われわれの心の中の内在する究極の本質のことであり、

 
秘密荘厳住心とは、けっきょく、「自心の源底を覚知し、実の如く自身の数量を証悟する」ことである!と書かれています。つまり、私達の心の中に住んでいる神我=「大いなる自己」に気づき、それは無限の叡智を持ち、全智全能であることを悟るべきである!と、説いているのです。

 
それは人間存在を超越し、かつ人間存在に内在するものなのである(如来秘密と衆生自秘)そして、これは、それぞれ胎蔵(たいぞう)
曼荼羅金剛界曼荼羅の世界
である、と説き、このように曼荼羅の世界は自分自身の心と体とに存在している、無慮無数の仏菩薩(ぶつぼさつ)などの諸尊の集合図として表現される曼荼羅・・・。それは絶対の宗教的実在である法身(ほっしん)大日如来が諸尊のすがたをとって無限に展開している。

 
もちろん大日は全智なるもの(一切智者)である。そして、この宗教的実在は人間存在の心身そのものとして自覚されるのでなければならない。と、なっていますから、自分自身に内在するエネルギー体の存在を把握し、高次元に存在しているマンダラ、そして、ミクロの世界の原子の中の無限に存在する素粒子の正体までも示唆しているのです。

 
日本で初めてノーベル賞を受賞した理論物理学湯川博士は、空海のことを、物理学の見地から世界で最も偉大な天才である!と賞賛しております。現代においても世界的な物理学者が、高野山を訪れております。ですから、柳沢桂子さんが、空海に目を向けられたら、次元を超越することも、半分崩れかけている固定観念の壁が完全に崩れる様な気がします。