人物の根本 M597

人物の根本



「ひ」を広辞苑で調べていたら「霊」という字が出てきました。次の安岡正篤氏の「人物の根本」という短文の中にも霊という言葉が出てきます。東洋では昔から肉体のみでない人物の根本を意識していたのです。


人物の根本 1----------------------------------
 
 
人物ということはどういうことをいうのであろうか。……まず看過(かんか)することのできない根本は何か。それはわれわれの活力であり、気魄(きはく)であります。性命力(これも生の字よりは性のほうがよろしい。

 
肉体のみでない、霊を持っているという意味で性命という)に富んでいる、つまり神経衰弱的であってはならない。

 
意気地(いくじ)がないというのではならない、根本において肉体精神を通じて活発々たる、えん々たる迫力を持っている、これが大切です。


人物の根本 2-------------------------------------
 
 
一体、万有一切、光といい、熱といい、あるいは電気といい、磁気といい、すべてはエネルギーの活動であり、変化です。

 
エネルギーが旺盛(おうせい)でなければ森羅万象(しんらばんしょう)もない。
 
 
われわれも根本において性命力が旺盛でなければ、迫力がなければ、活力気魄というものがなければ、善も悪も何もない。是も非もない。
 
 
活力、気魄を旺盛にする、これが一番大事であります。


安岡正篤 一日一言』より


 
安岡正篤氏の言葉の最後のまとめに、

 
>活力、気魄を旺盛にする、
 >これが一番大事であります。と、書いていますが、どのようにすれば、一番大事な活力、気魄を旺盛にすることができるのか?具体的に書いてはいません。

 
普段からこの様な心がけや意識を持ちなさい!ということなのですが、具体的に何をすれば、誰もが活力、気魄を旺盛にできるのか、様々な角度から探求してきました。今回は、「ひ」の音がキーになっているようなので、具体的に説明して行きます。

 
先日、古神道に、ひとつの音に集中して心をひらく、という音霊法(おとだまほう)を説明しました。音霊も言霊も数霊も、「霊」の文字があり、これらの「霊」も、目には見えない、人知ではかりしれない奥深い神秘的な力という概念になります。

 
安岡正篤氏の言葉の「肉体のみでない、霊を持っている」の「霊」になります。これらの「霊」と、キーになっている「ひ」の音が結びついているのです。

 
古神道では、自分をその音に融け込ませ、あるいは音そのものになりきって、ひとつになる。そうすると、いつしか自分というものを忘れ、自己という狭い枠が取り払われて神我(しんが) (本来の自己)があらわれます。

 
神我はもとより宇宙と一体のものであるから、自ずと生命(いのち)は輝き躍動する。これが音霊法という行法の目的です。と、なっていますから、「ひ」の音霊は人の根源の「霊」でもあるのですから、「ひ」の音に、自分をその音に融け込ませ、あるいは音そのものになりきって、ひとつになる!ことは、ごく自然なことなのです。

 
元々、「霊魂」が肉体に宿る以前は、「ひ」の音と一体化していたのです。八心音や八神光は、宇宙の創世から存在していたもので、空海が、五大に響きあり!と、言ったのはこの音なのかも知れません。宇宙の根源のエネルギーは愛そのものであり、光りでもあります。




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