眼力 M679

 
眼力



先日、TVで、里山や棚田の写真で知られる写真家の今森光彦(いまもりみつひこ)さんを、活動の現場に訪ね、話を聞いていました。田んぼの生態系や虫たちの生きざまなど、里山の自然の魅力が語られていました。「僕にとってシャッターを押すことは、命と対話することなんです」と、今森さんが語っているように、実際の撮影より、撮影に至るまでの下準備のために、何日も、何ヶ月も、何年もかかっていることも紹介していました。

 
4年もかかっている写真もある!ということで、自然や昆虫の「目には見えない」部分を重視して、しばらく眺めたり、スケッチをしたり、じっくり観察して、目には見えないものまで見えるようになる「眼力」を養っているようです。

 
そして、そのものと一体化して魂を込めているのです。「ほかの人とやり方が違う。僕の場合、写真家らしくないんですよね」と、今森さんは、まったくの独学で、写真の師匠がいなかったことが、本人が納得するまで追求し、純粋に深めることができたので、良かったのかも知れません。

 
一つの被写体を何ヶ月も観たり、スケッチをしたりする写真家は聞いたこともないので、今森さんは異色になります。世界的に評価されている一流の写真家も、昔の日本の画家も同じく、目には見えないところまで見える「眼力」を養っているのですから、これは、現代人が失っている本質を見抜く「眼力」だと思います。

 
今森さんは、子供の視線で撮影しています。と言っておりますから
、子供のように感動して純粋になる! 大人になった自分の持っている固定観念や常識などを取り除いて、命の中にある本当の真実を観るために時間をかけてじっくりと心の眼で観察しているのです。

 
日本の画家と共通点があります-------------------- 


昔の日本の画家は、これから描こうとする風景を意識をしながら、一週間も十日間も、ひたすら眺めてから一気に描いたそうです。過去の記憶が止まり、雑念がなくなり、思考の停止の瞬間をじっと待っていたように思います。

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固定観念や常識などの過去の記憶は滝のように押し寄せてきています。ほんの一瞬でも、止めることができたら、本来の素晴らしい才能や叡智が浮き出てくるのです。じっくり観て、スケッチして、さらに、自分と一体化して、魂がこもった素晴らしい作品が創作している今森さん。

 
「僕にとって風景とは、生命を支えている土地のこと。そこに存在する生き物はすべてがお互い関連しています」。 と、今森さんは、「眼力」を養っているので、右脳的な感覚になるのでしょう。

  
ところで「今」と言う漢字は、今の瞬間に生きる!ことへの啓示でもあり、第一人者=名人からのメッセージのようにも思われます。

 
先日来の、友時さんに、本時(もとおり)さん、今を深く掘る名前の方、そして、今森さんですから、「今の時」が、ますますシンクロしています。シャッターを切る!のは今の瞬間ですから絶妙のタイミングです。

 
私達の次元を越えたエネルギー体は、つまり、本来の自己は元々時間を超えた存在なのです。

 
見る⇒観る⇒魂を込める⇒一体化する=今の瞬間に生きる

 
名人や達人は、弓の名人も、武術の達人も、心を深め、時間を超越して、本来の自己と一体化して今の瞬間に生きることができたから、奇跡の名人業や神業になったのです。




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