緊張のホルモンとリラックスのホルモン M3201

緊張のホルモンとリラックスのホルモン


 
私たちの体のメカニズムは、脳と自律神経、ホルモンなどによってコントロールされています。人は緊張すると体の各部分の筋肉が硬くなり、過度に緊張すると思うように体が動かなくなる事があります。あまりの緊張であがってしまい、しどろもどろになってしまう!頭が真っ白になってしまう!動作が鈍く固まってしまう!という状況は、色々な所で見かけることで、誰にも経験があると思います。

 
学校の運動会でもスタートの時は緊張した経験があると思いますが、世界中が注目している世界大会やオリンピックでの陸上競技のスタートの緊張ときたら想像を絶するものがあります。国の威信を懸けて臨むわけで、過度な責任も伴いますから余計なプレッシャーもあります。予選を勝ち抜いて、いざ決勝ともなれば、どんな選手でも必要以上に緊張するのも無理もありません。
 
 
さて、緊張すると筋肉が硬くなる!というのは、緊張に対応する脳の
神経回路の信号が交感神経を刺激し、それが交感神経の末梢にある副腎に伝わり、その結果、副腎髄質からのアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、全身の細胞に情報が伝わるのです。これが、脳から、自律神経やホルモンに伝えわるメカニズムになります。


不安や緊張があると、アドレナリンも出てきます。アドレナリンが
多いと、潜在意識からの伝達がうまくいかなくなり、緊張で体が硬くなり思うように動けなくなります。と、ボルト選手は、このスタート時の緊張を和らげるために、おどけたり笑ったり、通常では考えられない動作をしている!と、専門家は分析しているのです。これが世界新記録を出し続けるボルト選手の秘訣である!と分析しています。

 
日本人がこの様な行動をとったら、頭がイカレテイル!ということに
なります。けれども、彼は、素晴らしい結果を出しているので、一連の動作が、緊張を和らげ、全身の筋肉が柔らかくなり、自分の思い通りの走りができる!なら、何となく納得してしまいます。そして、筋肉が柔らかく波を打っているようなトカゲの様な走り方も分析していましたが、彼のおどけた笑い顔や、ふざけた仕草などを強調しておりました。
 
 
もちろん、天性の素質に恵まれ、普段から練習に練習を重ね、鍛え上げていて、本番で確実に実力を発揮するためのパフォーマンスになります。実力のない人が、ボルト選手のマネをしても世界記録はでません。世界の舞台で、最終の決勝に勝ち上がった世界のトップアスリート達は、一人の例外もなく、日ごろから切磋琢磨している選手達で、実力が伯仲しています。

 
そして、その中でも、さらに頂点に立つために、スタート時の緊張を
和らげ、自己の最高のパフォーマンスを極めるためにも、ボルト選手は、特有の儀式をしているのです。本人は、一連の脳から自律神経やホルモンへ伝達するメカニズムを理解して、おどけたり、笑ったりのポーズをとっているのかどうかは、定かではありませんが、専門家から言わせたら、理にかなっている!ということです。

 
意図的にやっているのか?それとも無意識にやっているのか?判りませんが、これこそ、論より証拠になります。この緊張のメカニズムは、不安や恐れなども同じメカニズムになり、筋肉以外にも、内臓などの体の各部分も収縮してしまいます。緊張感を感じやすいのは、腕 肩 首 背中などですが、緊張感があまりにも長く続くと腰痛、頭痛、肩こり、自律神経失調症、耳鳴り、と、免疫力も下がり、症状が悪化していくケースが多くなります。

 
内蔵の収縮で胃腸やその他臓器の動きも悪くなり 苦しさ、痛み汗やめまい立ちくらみなど、症状として出ることでも分かります。あがりを起こさせている心の状態が緊張を起こさせ、その後無意識であるが故に、何度もあがる心理を使ってしまうのです。

 
判断力は鈍り、皮膚は荒れ、内臓の働きも悪くなり、バランスをとる筋肉細胞は緊張して動作がぎこちなくなり、毛細血管は収縮して血行が悪く、手足が冷たくなったり、顔色が悪くなったりイライラが募る!という状態が続きます。

 
この状態がいつまでも続くと体中に歪みが生じ、それがストレスと
なって内蔵や脳の働きに悪影響を与え、心身症神経症になります。こんな状態では健康を維持することもできないし、能力も発揮できま
せん。そのことによって、益々不安や不満を感じアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、という悪循環に陥るのです。

 
緊張感は、不安や恐れなどの感情を誘発して、アドレナリンやノルアドレナリンという体のバランスを失うホルモンを分泌します。この反対に、いつも紹介しているリラックスのホルモンがあります。

 
私たちの体は、息を吸うときに筋肉が緊張し、息を吐くときに緩むことから、息を長く吐くことで体をリラックスさせることができます。この時に、リラックスのホルモンが出てきます。ですから、丹田呼吸を勧めているのです。

 
笑うことも、リラックスできますから、ボルト選手は理にかなっているのです。けれども、誰かが、息を長く吐くことで体をリラックスさせることができる!と教えてあげれば、今までのような馬鹿げた仕草はしなくなると、思います。



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